庭の伝統をもう一度考え直し、現代の庭との関係を構築するために、私たちはウェールズのカーディフを拠点に活動を始めました。
 日本の庭は視覚的に優れていて精神性があります。小さな庭にすら大きな自然があり、宇宙を感じさせる禅の世界があります。また、私の好きな京都の町家は、四季に寄り添って暮らしています。暑さも寒さも多少の不便さも生かす意匠と生活の智恵は、私とコンセプトを同じくするものです。部屋の中から庭を楽しみ、四季を感じる和の心を大切にしていきたいと思います。
 学ぶ場として選択したのは、そこに日本と近い文化が流れていることを知ったからです。古代ケルト人は自然の中に神々を見い出し、人々に神の裁きと魂の永続性「霊魂不滅と転生」を説いています。聖パトリックの到来により彼らの土着信仰はカトリックに取り込まれていきました。ローマ軍がブリテン島にやって来る以前、ケルト人は広くこの島に住んでいましたがウェールズ地方に移り、その移り住んだ人々がウェールズ人と呼ばれるようになりました。ウェールズ地方の首都がカーディフなのです。
 また、ケルトの文化は妖精のルーツとも言われ、民話、童話の代表として眠れる森の美女、ピーターパン、ピノキオ、シンデレラなど、書籍としてはロミオとジュリエット、ロビンフット、ロードオブザリング、ハリーポッターなど私たちに身近なものがあります。
 私たち日本人の暮らし、衣食住、文化、情報すべてがすっかり洋風になってしまった今、このカーディフの地を出発点として改めて日本の文化を学びたいと思います。
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